傾斜地での土地活用について
整形地と不整形地 土地のあれこれ
不動産情報などで「平坦地」「整形地」という文言をご覧になることもあると思います。そ のような土地は段差なく形も整っており宅地としての使用に適しています。
区画整理が成された住宅地などに多く、特に不便を感じることはないです。しかし多くの土地はきれいに区画が整理されている訳ではありません。 所有の土地でも形が歪であったり、傾斜や高低差があったりと様々だと思います。 そのような土地の利用についてお悩みの方も多いようで、ご相談されるお客様も多数見受け られます。
今回ご相談された中での事例も併せてご紹介させていただければと思います。
事例:土地に傾斜がついて下に落ち込んだ部分のある土地 (下記で記事内記載)
目次
1.傾斜地とは
土地に傾斜がついている、傾いて土地に高低差がついている土地といえます。 建築基準法では「傾斜地」だけでなく「がけ」「斜面」といった言葉に定義が特に示されて いる訳ではありませんが、広く使用された言葉となっています。
2.傾斜地での問題点
擁壁工事必要性や既存擁壁の倒壊の恐れ
擁壁とは、斜面の土が崩れるのを防ぐために設けられる壁のことです。
工法など種類はありますが、現在は鉄筋コンクリート擁壁が主流となり、設置する擁壁の高さや長さにより金額に差はありますが、高額になることが多いです。
また既存の擁壁が古くて劣化が進んでいる場合、その一部が崩壊する可能性もあり、修繕が必要となる場合もあります。
地盤改良が必要となる場合もある
傾斜地の地盤に問題がある場合には、その上に家を建てることはできないため、地盤改良の必要が生じます。建築の前段階で地盤改良に多額の費用が必要となるということも想定されます。
上記のようなケースで見られるようにコスト面での問題が生じてきます。外構や地盤工事で想定以上に費用が発生することも多いです。
3.建築活用
住宅の敷地が前にある道路より高くなっている場合、その高低差を利用し、住宅の下の土地 に埋め込むような形で「掘り込み車庫」と呼ばれる駐車場を作ることができます。住宅の下 の土地に横穴を掘り、コンクリートやブロックなどで固め天井や床、壁を作って車庫にした ものです。地盤がしっかりした傾斜地で、道路と敷地の高低差が2メートル以上あると作り やすいです。
◆住宅の敷地が道路より低い場合は「架台(がだい)車庫」
住宅の敷地が道路より低い場合は、敷地から上部に伸びる骨組みを組んで高低差をなくし、 道路とフラットな状態の駐車場をつくる方法があります。このような駐車場は「架台(がだ い)車庫」と呼ばれます。駐車スペースとなる部分を鉄骨作りとすることで、鉄筋コンク リートの駐車場とするよりもコストを抑えることも出来ると思います。また骨組みの上にコ ンクリート打設をすることで、通常の駐車場と同じような使い方もできます。2階を玄関にする など建築面の工夫を加えることでさらに 使い勝手も良くなると思います。
以前にご相談された地主様の土地の場合は、接道面から奥に進む通路部分で土地が下に落ち込むような傾斜があり、通路幅を確保出来ないため架台を組んで通路とする提案を行いました。
※高低差を測量して利用可能かどうかを判断して提案しました。
また利用方法として自己利用をする、または戸建てとして賃貸利用すると言うことも可能です。
沖縄では住宅の自己所有比率が低いため賃貸需要が高く、その中でもファミリー向けは
特に人気が高いので戸建・マンション問わず入居率は高いです。
またその他に立地条件によっては、⽶兵や軍属を含む外国⼈向け住宅(いわゆる「米賃」) の需要が安定して見込まれます。
米軍基地に隣接している中部(北谷町・嘉手納町・沖縄市・うるま市・読谷村)の住宅街などで所謂「Yナンバー※」⾞両が駐⾞ している住宅を見かける機会が多いと思いますが、このような共同住宅や戸建住宅が「米賃」として稼働している物件です。
※駐⽇アメリカ軍⼈とその関係者の⽇本国内で取得した課税⾞
道路から一歩入って奥に傾斜している土地の活用方法
前面が接道した道路。住居の手前が他の所有土地になるため、土地に沿って接道面の駐車 場から住居への通路を設置する。通路部分が傾斜地のため架台通路を提案した。住居奥も下 に落ち込んだ傾斜となるため住居の壁を利用して擁壁代わりになるようにしてコストも抑え られるように提案。
住居奥の庭側から後方に傾斜して下に落ち込んだ⼟地のため⾒晴らしも良く、他に住宅もないので BBQなど気兼ねなく楽しめる⽴地となっています。
さらに自己利用だけでなく、賃貸物件としても活用できるよう駐車場は4台を確保しています。また、16坪と27坪の2世帯とするプランも可能で多様な需要に対応できるようになっています。
土地の傾斜が多く形も歪で利用に困るということでのご相談でしたが、視点や発想を変えると良さに見えてくると思います。
土地利用に光明を見出していただけたようで提案した甲斐がありました。
記事作成
シムジョウ代表
宅地建物取引士・2級建築施工管理技士
金城 工