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2024.02.13

擁壁診断や保証について

 

擁壁のある土地に住宅を建築する場合や、住宅の増築・建て替えなどを実施する際は、安全性に問題がないか確認が必要です。古い家屋では建物と同様に擁壁も老朽化して安全性に問題が生じている場合があります。

擁壁に法律上の許可がない場合や、安全性が検証されていない状態では、建築基準法の規定に適合せず、住宅建築の工事ができなくなる可能性があります。

建築工事をスムーズに進めるとともに、施主とのトラブルや建築後の事故を回避するためには、状態を確認して法律に基づいた対応を取ることが重要です。

 

目次

擁壁とは

擁壁とは、高低差のある土地の斜面を保護して、がけ崩れを防ぐために造られる工作物をいいます。また擁壁に用いられる工法も様々です。

◆擁壁の種類

・鉄筋コンクリート擁壁

・練(ねり)積み造擁壁

・重力式コンクリート擁壁

・増し積み擁壁

・空石積み擁壁 など

擁壁にも耐用年数があり、時間がたつと劣化が進みます。また施工に問題がある場合には最悪、地震や豪雨などの災害で崩壊してしまう恐れもあります。
日本のように地震が多く、近年見られる異常気象の影響で豪雨災害も増えています。建物とともにその周囲の擁壁や外構にも亀裂や染み出しといった異常がないかをチェックする必要があります。日々の備えが崩壊など最悪な事態を防ぐことに繋がります。

擁壁の安全に関する調査について

擁壁の調査を行う際は、法令遵守の確認に加えて、現地調査での安全点検が必要です。ここでは、具体的な調査方法について解説します。

現地での点検

擁壁がある土地・建物には、安全性に問題がないか、現地での点検を行うことも必要です。

◆現地点検の確認ポイント
※我が家の擁壁チェックシートより

・擁壁表面の異常の有無(ひび割れや上下前後のずれ、傷、膨らみ等変形)

・擁壁からの排水状況(排水溝の破損・ズレ、排水溝・水抜き孔の詰まり)

 

擁壁表面のひび割れや傷、排水状況に問題があるといった状態は、強度の低下に繋がり、崩壊リスクの懸念があります。これらの問題が見られる場合には、構造の詳しい検査や、擁壁の造り替えが必要になるケースがあります。

擁壁診断の専門業者に依頼

擁壁診断を専門とした業者は少なく、建築士や地盤調査の業者などが擁壁の診断を行っているケースもあるそうです。そんな中、擁壁に関する事故に関する保証を提供している(一社)擁壁保証協会」という団体があり、独自に安全基準を設けてその基準に沿った診断を行うことを推奨しています。講習を受講した認定の診断士がおり、その診断士による調査で、既存擁壁が安全基準の審査をクリアすると最大3億円の事故保証に加入することも出来るので、より安心です

沖縄でも認定の加入業者がおり、弊社でもお客様の擁壁診断を依頼して調査をしてもらいました。診断依頼から日程調整、現地での診断調査を行ったのち2週間程度で詳細な診断レポートの提出があります。診断のみではなく補修までサポートしているそうで、実際修繕や補修の依頼が多くあるそうです。

↑↑建築から経年の進んだ擁壁

今回依頼の擁壁は地盤も含めて調査をしてもらい、結果としては異常がなかったため施主様も安心しておりました。

擁壁保証について

以下(一社)日本地盤協会が定義している保証と審査基準も紹介します。

(一社)日本地盤協会では一定の審査基準をクリアした擁壁に万が一の事故が起きた場合、その擁壁の補修費用及び第三者賠償保険が受けられます。

○保証期間  保証書発行日より10年間

○保証限度額 最大5,000万円

○第三者賠償 最大3億円 

 

保証加入条件

  • (一社)日本地盤協会の擁壁診断士が擁壁診断を実施する事。
  • (一社)日本地盤協会の認めた地盤調査会社が地盤調査を実施する事。
  • 擁壁診断による結果、補修が必要な場合は補修工事を実施し、協会の承認を得る事

 

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